「子どもたちが上手にけんかをできなくなっている」と感じるようになって、もう10年がたちました。いや、「けんかの仕方を知らない」と言い換えた方がすっきりするかもしれません。

 兄弟が少ない、地域のコミュニティーがないなど複数の要因がありますが、いつも大人が管理している中で生活しているために、子どもだけで行うけんかが明らかに少なくなっている結果とも言えます。

 けんかし合える機会や場所を、大人が意識して提供してあげることも大切なんです。

できるはずの仲直りができない子どもが増えている

 前回「親も失敗したときは『ごめんね』を言う」でもお伝えしたように、「ごめんね」―「いいよ」で矛を収めて終わる子どものケンカはすてき。そして最後には、笑顔が仲直りの合図。

 しかし、そんなハッピーエンドの手前で、最近は意地を張って仲直りができない子どもが増えています。これってどうしてだか分かりますか?

子どもは夫婦げんかの様子を結構見ているもの
子どもは夫婦げんかの様子を結構見ているもの

 子どものけんかの模範が夫婦げんかになっているからなのです。意地の張り合いって、大人のケンカの典型的なスタイル。みなさんも何度か心当たりがあるはずです。

 さて、みなさんは夫婦げんかをすることはあるでしょうか。お互い伝えたいことを、ちゃんと夫婦で伝え合えていますか。

 夫婦げんかの発端ってささいなこと。気が付かなかったり、気が回らなかったり、分かってもらえなかったり、長期化することは避けたいと思いながらも相手にうまく伝えるのって難しいですよね。さらには、「あなたはどうして〇〇なの!」と相手を責めてしまう。

 子どもたちが許し合えずに意地を張るというのは、その模範となるパパとママが上手にけんか(仲直りまで)をできていない証拠なのかもしれません。

 上手に夫婦げんかをするためにぜひ知ってほしいのが、パパとママの考え方の違い、つまり、男性と女性の捉え方の違いです。