学校そばの横断歩道では、通学時に必ず教職員や近所の木津市場の警備員の方が立ってくれている。その安心感からか、子ども達は自分で周りを見ない。下を向いたり、話していたり。こっちも安全上、「早く渡りなさい!車が来てるよ!」と、つい声が出てしまう。

 でも、こうして先回りして守ることだけが、本当に彼らのためになっているのだろうか。

 学校管理下では、子ども達を守るためにさまざまな対策をしている。しかし、彼らは学校だけで過ごしているわけではない。校区で出会った児童の自転車の乗り方を見て、思わず悲鳴を上げたことがある。

 「自分で自分の命を守る」意識を持って、自転車に乗ってほしい。

 そう指導する横を、若い女性がスマホを見ながら自転車ですり抜けていく。携帯ゲームを見ながら歩く子どももよく見かける。大人のマナーは、子どもに伝染する。

 物を平気で投げるのも、家での習慣が原因のことがある。タオルや新聞を「投げて渡す」のが普通だと思っている子に叱っても、「なんでアカンの?」と不思議そうな反応が返ってくる。我が家でも、たまにやってしまう。コントロールのできない子どもがまねをすれば、当然、事故の原因になる。学校現場に来て、親としての自分を反省することが増えた。

災害時に「1人で家にいる子ども」をどうするか

避難訓練の一環で、体育館に仕切りを設置するレクチャーがあった。学校が地域の防災拠点であることを実感する。行政・地域・学校の連携は重要だ
避難訓練の一環で、体育館に仕切りを設置するレクチャーがあった。学校が地域の防災拠点であることを実感する。行政・地域・学校の連携は重要だ

 先日、自分の小学校に避難所を開設する訓練が行われた。地域の方が学校のカギを開け、町内会ごとに安否確認をして学校へ誘導する。基本、学校の教職員がいなくても避難所が開設できるようになっている。5回に渡る事前ワークショップの甲斐あって、あっという間に運営本部が設置され、アルファ米の炊き出しが行われ、本番さながらの機動力だった。

 地域の力に感心しながら、校長として考えていた。何人かの子ども達は保護者に連れられてやってきていた。では、「親が連れて来られない家庭はどうなる?」と。

 夜遅くまで働く保護者もいる。勤務先から帰れないケースもあるだろう。我が家だって同じ状況になりかねない。

 自宅に1人でいる子ども。情報が入らず、周りで火事が起こっていても気づかないかもしれない。避難すべきか、自宅にいるべきか。うかつに飛び出して災害に巻き込まれることもあるだろうし、逃げなかったことで被害に遭うこともあるだろう。どんな情報収集をして、どんな判断をするか。災害コーディネーターの先生は「まずテレビかラジオをつけなさい」と指導してくれた。しかし、その後の判断が難しい。

 2学期に入ってすぐ、学校の防災訓練がある。この時に「家族や学校との連絡の取り方・身の守り方」を指導しようと考えている。

夏休みだからこそ、家庭での安全・防災対策を

 水の事故、交通事故、熱中症など、夏休みは子どもの事故が多い。今一度、「自分と他人の命を大切にする」ことを、各家庭でも確認してもらえると嬉しい。

 さらに、学校管理下の死亡事故では「突然死」が多い。