厚生労働省の発表によると、日本における平成24年の平均寿命は、男性が79.94才、女性が86.41才。65年前に行った調査と比べると、30年ほど長くなっています。平均寿命が延びた分、老後の生活資金に対する不安も増大しています。老齢厚生年金制度はあるものの、それだけでは十分な収入にならないという状況のなか、老後資金について話し合う夫婦も増えているのではないでしょうか。

 日経DUALが、調査会社マクロミルと共同で、12歳以下の子どもがいる全国2000人の男女を対象に行ったアンケート(調査の概要は、過去記事を参照)では、老後資金についても質問しました。今回は、そのなかの「将来の世帯収入に関して、どの程度不安を感じているか」と「老後までに準備しておきたい貯蓄額は」という質問に対する回答をご紹介します。

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パートタイムで働いている女性の多くは、老後に不安を抱いている

 まずは、「将来の世帯収入に関して、どの程度不安を感じているか」という問いに対する回答のグラフを見てみましょう(グラフは%表示)。

 これは「お互いに扶養に入っていない共働き世帯」と「妻が夫の扶養に入って働く共働き世帯」、「片方だけが働いている世帯」を比較したグラフになります。ここで注目したいのは、「片方だけが働いている世帯」より、「妻が夫の扶養に入って働いている世帯」のほうが、「とても不安だ」と答える人数が多いということ。なぜ、こういった結果になったのでしょうか。

 ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんに尋ねたところ、世帯年収が分からないので断言できないが、と前置きした上で、「片方だけ働いている世帯のほうが所得が高く、黒字が大きいため、このような結果になったのではないかと推測します」という回答が返ってきました。「夫の扶養に妻が入っている共働き世帯は、収入が十分ではないと判断し、妻がパートに出ているケースが多いのではないでしょうか」。

 また回答を男女別で見てみると、女性のほうが不安を感じているという結果が見えてきました。そこで女性限定で、各グループの回答を比べてみます。

 最初のグラフ同様、片方だけが働いている世帯より、妻が夫の扶養に入って働いている世帯のほうが、「とても不安だ」と答える人数が多くなっています。ただし、「とても不安だ」と「やや不安だ」を合算すると、この差は0.8ポイントまで縮まります。働いていない主婦も、「やや不安だ」とは感じているようです。その一方で、扶養に入らずに働いている女性が「とても不安」「やや不安」と答えた人数は、他の2グループより約5ポイント低くなっています。