―― 男女雇用機会均等法が今年(2014年)、改正されます。これが社会に与えるインパクトとしては、何が考えられるでしょう?

大沢 「次世代育成支援対策推進法」などの施行に伴い、両立支援制度を利用できる企業は増えました。しかし、男性と女性の昇進に差があり、管理職に占める女性の割合は依然として低水準です。女性が活躍できない風土はまだまだ根強いと感じます。均等法の問題は、法律が実際に厳格に適用されていないことです。

 マスコミにも責任があると思います。

「3人に1人が専業主婦になることを望んでいる」も事実とは言えない

大沢 先の「6割の女性が出産を機に辞める」という思い込みもそうですが、同じように厚生労働省が2013年に行った「若者の意識に関する調査」でも「3人に1人が専業主婦になることを望んでいる」と報道されました。実際にその調査で最も多かった回答は「どちらともいえない」(27.2%)です。積極的に「専業主婦になりたい」と言っている人は、全体の8.2%しかいませんでした。しかし、その報道の見出しだけを読んだ人は、女性の専業主婦志向は根強いと考えてしまいます。

 社会が成熟し、女性の意識も多様化している中で、平均値で女性を判断して差別してしまえば、企業は自ら良い人材を手放すことになります。これを経済学では「統計的差別」と言います。データをもっと注意深く読み、数字の背景にある事実を見る必要があると思います。


(出典:厚生労働省「若者の意識に関する調査」25ページ参照)