非正規雇用の社員は、育休を取得しにくいというのが実情

―― 派遣社員が、育休を利用したり時短のまま働き続けたりするのは難しいことなのでしょうか。

後藤 法的には非正規雇用の派遣社員でも育休を取得できます。しかし、育休から復帰した後の契約継続がその条件となっています。復帰後の契約継続の確約を得るのは容易ではないようです。

 女性の非正規雇用が増加しているという事実は、女性のライフステージと連動した就業形態の変化をまとめた資料(『男女共同参画白書 平成25年版』P.26~27参照)から読み取ることができます。

 下のグラフはここ10年間、若い人の働き方を追いかけた国の調査(「第10回 21世紀成年者縦断調査」)に基づいて作成されたものです。

 これを見ると、結婚を境に、正規雇用されている女性が64.2%から43.6%に減っていることが分かります。第一子を出産後、仕事を辞める人の割合は36%。仕事を続ける人は正規雇用で19.8%、非正規雇用で9.4%弱です。2人目を出産したあとでは、仕事を辞める人がさらに増加します。

 ただ、すべての人が自ら望んで辞めているとは考えられません。待機児童問題が深刻化していますが、この裏側には会社を辞めずに働きたいと考える女性社員が急増している事実もあるでしょう。