家族のコミュニケーションがとりやすい空間か

 こうしてみると、共働き家族のコミュニケーションを深めるには、広くて家族が集まりやすいリビング・ダイニングなどのスペースが必須だと言えそうだ。そこからは各居室を見渡すことができ、家族の気配を感じながら暮らせることが望ましい。また、ただ単に広いだけでなく、コミュニケーションしやすいリビング・ダイニングであることも大切だと、前出の篠原氏は指摘する。

 「人は気持ちのいい空間に集まります。南向きで明るく、風通しのよい場所が理想的。日当たりを確保するのが難しい場合は、冬は床暖房などで暖かく過ごせるようにするといいでしょう」

 分譲マンションや建売住宅など間取りが決められている住宅では、理想をすべてかなえるのは難しいかもしれない。だが、家族のコミュニケーションがとりやすい空間かどうかという視点を持つことが、共働き世帯の住まい選びには欠かせないだろう。

(文/大森広司、写真/武田光司)