限られた時間の中で、ビシッと子どもの心に響く言葉を伝えることができるかどうか。忙しい父親のセンスが問われるところです。

 センスといっても、特別なカッコイイ言葉を使う必要はありません。どうせ子どもにはわかりませんから。むしろ子どもでもわかる簡単な言葉を使用しつつ、そこにどんな気持ちを込めるかが大切です。

 今回紹介する言葉は、いわば「心の栄養」です。忙しい毎日でも、1日数回、思いのこもった言葉を投げかければ、子どもの心の中の「お父さん」の存在感がしぼむこともないでしょう。

愛情を伝えて、自尊感情を高める

 自尊感情という言葉を聞いたことがあるでしょうか。似た意味の言葉に自己肯定感というのもあります。いわゆる「プライドが高い」というのとは真逆です。ちょっとやそっとバカにされただけでは揺るがない、強い自分をもっている人のことです。ちょっとの失敗にめげず、「自分ならできるはず」と、粘り強く取り組むことができる人のことです。究極の「生きる力」です。

 どうやったら自尊感情を育てることができるのでしょうか。湯水のように愛情を注ぐことです。「溺愛」でいいくらいです。