働く妊婦さんは悩みが尽きないものです。妊娠中は体が変化し、不快感のもととなる症状も起こります。

 「就寝中、足がつって寝不足気味です。足がつるのはなぜ? どうすれば防げますか?」という質問もよく寄せられます。あまりに寝不足になると、日中の仕事にも影響が出てしまいますから、うまく対処したい症状です。

 この「こむら返り」は、妊娠中のマグネシウムやカルシウムの不足が原因だと言われています。筋肉の動きをコントロールするこれらの物質が足りなくなると、筋肉の収縮に影響を与えてしまい、自分で動きをコントロールすることが難しくなるようです。

就寝前や活動前にはストレッチを。海草、ナッツ類も意識的に食べる

 「こむら返りを起こしやすいふくらはぎを、就寝前によく伸ばすようなストレッチ運動をする」「歩く前後にもふくらはぎを伸ばすようにする」「マグネシウムを多く含む昆布、わかめ、ゴマ、ナッツ類、豆類を意識的に食べるようにする」といった工夫が有効です。

 ホルモンの変化が影響して、肌が敏感になったり、乾燥しやすくなったりするのもよくある症状です。乳首やお腹周りがかゆくなることが多いのですが、肘や首がかゆくなる人もいます。その場合は、いつも使っている保湿剤を、より保湿効果の高いクリームやオイルに変えたり、妊婦健診のときにかゆみ止めが入っている軟膏を処方してもらったりしましょう。

 寝ている間に無意識にかき壊し、かき傷がひどくなってしまうとひっかき部分が黒ずみ、色素沈着を起こすことがありますので、薬を早めに賢く使って、イライラの原因をなくしましょう。

おりものの変化が気になったら、担当医に相談

 また、妊娠すると、膣の雑菌を洗い流す目的でおりものが増え、殺菌力の高い善玉菌が増えるため、おりものが酸性の(酸っぱい)においになります。「これが気になる」という働く妊婦さんもいます。白からクリーム色、黄色程度の色であれば問題ありませんが、緑色、濁った茶色、白いカッテージチーズのような色であれば膣炎の可能性もあります。腐ったお肉のようなにおいがしたり、かゆみがあったり、「以前とは違うな」と思ったりするときは担当の医師に相談してください。薬ですぐに良くなりますので、気になったら即座に相談しましょう。