妊娠前から日常的におりものシートを使用している場合、かえっておりものの量を増やす、かぶれを起こす、あるいはおりものの量が多いように感じる原因になりますので、一旦中止してみましょう。

マイナートラブルはストレスで増悪する

 これらのマイナートラブルは、ストレスで増悪するということが知られています。

 妊娠中は、周りの人からできるだけいたわってもらいたい、気遣ってもらいたい、ねぎらってもらいたい、という気持ちはあるものの、だからといって仕事で期待されないのも寂しいし、自分の仕事をカバーしてくれる同僚にも申し訳ないし、情けない。やる気を見せるために「大丈夫です!」と仕事を引き受け過ぎると疲れてしまう……。

 妊娠から出産までは、秒単位で自分の気持ちが変動するものです。仕事に対するスタンスや予定の入れ方、仕事量の調整など、自分でうまく選択しなければいけないことの連続で、心身ともに疲弊してしまいがちです。

妊娠自体が素晴らしい「貢献」だと意識して、気分をラクに

 そんなときは、自分が「妊娠・出産という新しいことにチャレンジしていること」「未知の世界に飛び込む勇気と覚悟を持っていること」「目に見えるアウトプットが少し減ったとしても、別の面で少しずつ進歩していること」を自分で認めてあげることが、心の安定につながります。

 “Only a mother, nothing to do(何もできないタダの母親)”ではなく、所属先や社会に対して“Valuable contributions(価値ある貢献)”をしている存在なんだ、と思ってみましょう。

 働く女性は普段から、仕事を通して周囲への貢献の度合いを可視化させる習慣があると思います。でも、妊娠中は、通常の仕事に加えて、体の中で新しい命を生み出すという非常に生産的な仕事をしていることに気付きましょう。

 仕事をする者としてどこか中途半端な自分の状況にイラつき、周囲と比較し、コンプレックスを感じる。一方で、「ワークライフバランス」という上品な言葉もしっくりこない。

 私も、こんな葛藤を繰り返して来ました。

 そのようなままならない状態を味わい尽くすことで、この体験も、自分の「ストーリー」に変わります。

 自分の経験値がアップすることで、いつか社会に還元できると思うと、今の足踏み状態も少し許せる気持ちになるかもしれません。

(撮影/鈴木愛子)