1996、97年に創業した3つのIT企業。楽天、ヤフー、サイボウズ。同じころにITベンチャーとして立ち上がり、若手社員が活躍するイメージの企業だが、この3社が今、直面しているのはワーママ急増という現実だ。楽天ルポの第2回はこちら

 実は、この取材を始めるに至ったきっかけがある。楽天で働く1人のママ社員が、プライベートな場でぽつりとこぼした言葉だった。

 「今、うちの会社が大変なことになっているんです。ある部署では社員の約3分の1がワーママ。バリバリだった女性社員でも時短を取得してサポート業務を振られることもあるとか。このままだとどうなるか少し心配です……」

 楽天は、インターネットショッピングモール「楽天市場」の運営からスタートし、2000年の株式公開以降、積極的なM&Aを推進。金融事業、球団経営、海外でのEC事業、電子書籍事業、エネルギー事業など幅広い領域に展開してきた。2011年には「楽天市場」の流通総額が1兆円を突破。2012年には社内公用語を英語化し、グローバル化を加速させている。

 現在、楽天株式会社単体での従業員数は約3500人、連結では約9万3000人(2012年12月31日現在)。巨大企業グループに成長したものの、その歴史はこの2月で17年。従業員の平均年齢は32.2歳(楽天株式会社単体)と、まだまだ若い組織と言える。

産休を取得する社員数が、3年で約4倍に

 そして、女性が約4割を占める同社が直面するのは、まさに「ワーママの急増」という課題だ。

 同社が新卒の大量採用を開始したのは2006年以降。そのころに新卒入社した社員は30代に差し掛かり、結婚・出産の時期を迎えている。産休を取得する社員の数は2010年から2013年の間で、43人から168人へと、約4倍に増加する見込みだ。それにより、独身の女性社員にも「子どもを産んでも働ける」という意識が浸透している。今後もワーママが増えていくのは必至の状況だ。


産休取得者数はここ3年で約4倍に増加中

次ページから読める内容

  • すべての社員が平等にチャンスを与えられる環境
  • 時短を理由に給与や評価が下がることはない
  • ママになってから昇格する道もある
  • ワーママには新規開発業務を任せ、時短勤務者には「早く帰れ」と声掛け
  • 時間をやりくりして、他の社員と同水準の働きをさせる

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