前回の「佐々木常夫 企業が長時間労働をやめられない理由」に引き続き、佐々木常夫さんの「ワークライフバランスを実現する仕事術」を紹介する。

迫力のプレゼン内容をにこやかに講演する佐々木常夫さん
迫力のプレゼン内容をにこやかに講演する佐々木常夫さん

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 私は、仕事とは「予測のゲーム」だと考えています。

 仕事術は次に述べるように、(1)「計画的・戦略的」、(2)「時間節約・効率的」、(3)「時間拡大・広角的」という3つの軸に分類して考えると効果的です。皆さんも、ぜひ実践してみてください。

(1)【計画的・戦術的仕事術】

   a. 仕事の品質基準を決める

   ・部下は、「この方法でいいですか?」とその都度、上司に尋ねる。
   ・上司の注文を詳しく聞くことにより、望まれていない過剰な仕事をしなくて済むようにする。
   ・上司は、部下に求める仕事を具体的に指示する。

  b.デッドラインを決めて自分を追い込む

   ・一年の計は元旦にあり。一年ですべき仕事の計画表を年頭所感としてチーム全員共有する。
   ・言葉にして、発信することで責任が生まれる。実現できなかったことのフォローもできる。
  ・毎年の自分の成長を記録することにもなる。同様に、1カ月、1週間、1日の単位で計画を立てよ。

(2)【時間節約・効率的な仕事術】
  a. プアなイノベーションより優れたイミテーション

   ・会社の業務課題には必ずパターンがある。
   ・優れた先人・先輩が残したフォーマット・着眼点を徹底的にリサーチし、活用すること。
   ・「誰に聞けば最も有効な情報にアクセスできるか」を見極めることがゴールまでの最短距離への近道。

(3)【時間増大・拡張的仕事術】
  a. パレートの法則(重要なこと2割に力を尽くし、残りの8割の仕事を捨てる)

  b. 二段上の上司は「最高の援軍」

   ・上司の上司を味方に付けるため、丁寧に上手に付き合う。 (詳しくは『部下を定時に帰す仕事術』を参照)