さて、娘の学力に悩むころ、私自身もいわゆるガラスの天井に直面していました。人事権を握っていた団塊の世代以上の男性上司たちには、男にしか任せられない仕事が明確にあったのです。
多くのワーキングマザーが直面する仕事と家事の両立ですが、私の場合は、夫が育児休業を取るほど分担ができる相手でもあり、娘と息子の年が10歳も離れていたため、中学生になった娘には弟の保育園のお迎えまで任せることができたので、問題ではありませんでした。
しかし、高校受験を控えている娘の様子を見ると、これからの息子の教育をどうするかは新たな課題でした。そこで、当時はそうした言葉はありませんでしたが「ワークライフバランス」、これからの長い人生をこのままの働き方で良いのか、立ち止まって考えてみたのです。
その結果、当時の仕事の内容からも興味のあった社会保険労務士として独立開業し、時間的な裁量を増やすことにしました。そうすれば、子供たちの教育にも力を注ぐことができると考えたのです。そこで、息子が保育園の年中・年長という最も子育てが落ち着いている時期に勉強し、資格を取り、開業まで漕ぎつけることにしました。