子どもと過ごす時間が十分でないなと感じているのであれば、「手」をかけることよりも、「心」をかけることを優先してほしいということです。忙しすぎて、本当に限られた時間しかないのなら、たとえ3分間でも、仕事のことは完全に頭から排除して、子どもに100%集中してあげてほしいということです

 そうすれば、子どもが何を望んでいるのかがだんだんとわかってくるはずです。「子どものために、あれもこれもやってあげよう!」と親が張り切るのもいいですが、子どもが一番望んでいることは、実は、じっくりと自分の話に耳を傾けてくれることだったりします。

 「子どもとの時間はたっぷりとって、あれこれやってあげている」と自分では思っている親ほど、実は自分の考えを子どもに押し付けてばかりで、子どもの気持ちをちゃんと受け止めてあげられていない場合もあります。昔の「教育ママ」みたいなのがその典型ですね。

 夫婦共働きで、しかもふたりとも忙しいとなると、なかなか子どもと一緒にいてあげられないことに後ろめたさを感じることも多いでしょう。しかし、どんな状況においても、親が前向きに生きていることは、子どもが安心して成長する前提です。さらに、親のポジティブ思考は子どもにも伝染します。それってとっても大切な「生きる力」だと私は思います。

 「忙しい」という状況ですら、考えようによっては子育てに活かすことができるのです。