多摩川に沿って続く、芝生の土手と広場。そんな自然あふれる緑地を園庭代わりに走り回る「ロハスキッズ・センター クローバー」の子どもたち。自然と触れ合うこと、子どもを主体とした時間の過ごし方、楽しみ方を大事にした保育を提供し、妊娠中から入園予約をする人までいるという“行列のできる”保育園だ。都心までのアクセスがよく、緑も多い、子育て世代に人気の街、東京・二子玉川に2004年に認可外保育所として設立した。多摩川土手は、道路を挟んですぐ目の前。園庭はないが、門を出てすぐに土手の芝生へと歩いていけるため、1日に何度も散歩に行く日も多いという。

雨でも雪でもお散歩に! 自然を五感で楽しむ保育園

 「午前中は外遊びでも、午睡後は室内遊びという保育園が多いですが、この園では午前でも午後でも、夕方でも天気が良ければ土手へ遊びにいきます。時には、雨でも雪でも! きちんとコートや長靴など防備すれば大丈夫。雨や雪の音や感触を子どもたちに実際に体験してもらいたいんです。1歳児などに使われる大型ベビーカーもありません。まだ歩けない子は抱っこしていって、芝生で座ったりハイハイして感触を楽しみ、歩き出したら手をつないで一緒に行きます。ここなら転んでも安心だから、歩く練習に絶好です」

 と、園長の中田綾さんは言う。取材に伺った日も、午後4時過ぎから1〜2歳児のクラスは土手にお散歩に出ていた。数歩進んではぽとんとお尻を落とすくらいの子から、かけっこが得意になっている子まで、みんな大喜びで芝生の感触を楽しむ。早く迎えに来た保護者も、園にいなければ目の前の土手だともう分かっていて、荷物を引き取って土手に来る。

保育園の目の前は、土手につながる芝生。夕方の少し冷たい風の中でも子どもたちは気にせず大喜びで走り出す
保育園の目の前は、土手につながる芝生。夕方の少し冷たい風の中でも子どもたちは気にせず大喜びで走り出す