実際に、保育士以外の大人との接触機会は多く、英語、音楽、体操、ヨガなどは外部のアーティストや講師が来て教えている。UNITED ARROWS green label relaxing本社に年長組が見学訪問、服の製造過程を学んだり、運動会にはSnow Peakとテント設営を一緒に行ったりと企業とのコラボイベントも多い。

月に1度の多摩川土手の掃除は、地元のエコ活動に積極的な企業evergreen worksと共に取り組んでいる。特に、東日本震災後に地域とのつながりをより一層大事にしようと考えたという。

15人くらいのクラスには、先生が2人に加えてフリーで動ける先生もサポートにつく。子どもたちのペースや目線に合わせて進めていく
15人くらいのクラスには、先生が2人に加えてフリーで動ける先生もサポートにつく。子どもたちのペースや目線に合わせて進めていく

 「保育園の6年間は、人生の組み立ての大事な時期。しかも、親にとっても子育てという新しいステージのスタートでもあります。この6年間は、大人の選択が必要で、さらに密着度も高い時期。だからこそ、子どもだけが中心ではない大人の関わりの場としても、保育園は重要なのです」

 この保育園では保護者同士のつながりも深く、行事も参加するというよりは一緒に作り上げていく。食べ物を持ち寄って定期的に飲み会を開いたり、お父さんが中心となって週末にBBQを開催したり。年に1回は、家族参加の泊まりがけで農業体験にも出かける。子どもたちは先生と野菜を収穫に行き、その間親はこんにゃくを手作りしたり、BBQの準備をしたり、みんなで協力してその日の食事を作って一緒に食べる。

■子どもの「じかん」を大事に

 自然との触れ合い、アート、音楽、様々な取り組みの軸を「じかん」プログラムに置いている。家庭では、大人の時間で動いてしまうことが多いが、その生活リズムから立ち止まることを大事にし、子どもの時間軸に合わせていく。