週刊誌AERAの「働く母と子の『学力不安』」特集(2012年1月16日号)※を大変興味深く読みました。
※参考:465人調査による特集で見出しは、40点答案にびっくり! 25点にショック/勉強をみるために社員からパートへ/働く時間に比例して増える子の学力不安/両立ポイントは朝晩と見ながら家事…など
というのも、コンサルタントとして私は、両親が高学歴にもかかわらず学力不振の子どもを抱えるワーキングマザーを数多く見てきたからです。私は長年こうしたケースについて問題意識を持ってきましたが、仕事と子育てを両立させることを応援する風潮の中、ともすればブレーキになりかねないこうした報道は見たことがありませんでした。掲載されていた3つのケースを、私の経験を交えて紹介します。
小4で勉強についていけないと判明したケース
出版社勤務の女性のケースです。小学4年生の息子のテスト結果を見て「こんなひどい点、私は取ったことがなかった……」と感想をもらしました。この記事を目にして、私は20年前の自分を思い出しました。
この母親は、「いずれ塾に入れるしかないのだろうか」と考えているようでしたが、私は「いずれ塾」は手遅れというか、おそらく何の役にも立たないと思います。むしろ今、頑張って学習意欲を高めるべきです。小学校低学年の時に親の帰宅が9時を過ぎるのは、あとあと大きな禍根を残します。親が不在の時間に子どもが感じた寂しさ、まだいっしょにいることを望んでいる子どもとの貴重な時間を失った後悔など、時間を巻き戻すことはできないのです。もうしばらくは定時退社をめざすべきでしょう。
小4で「勉強への意欲の低さ」を感じるならば、一刻も早く手を打つべきでしょう。高校受験を控えた中学の学習は、内容が難しいか易しいかは問題ではなく、ひとえに「学習意欲」にかかっているものです。低偏差値の高校はえてして学習意欲が低く、学習以外のさまざまなことにも意欲が低い傾向があることは、多くの人が認めるところです。はっきりとした将来の希望もなく、大学全入といわれる時代にあって、本人が進学を望まなければ、親は「どんな大人になってしまうのだろうか……」と不安にもなるでしょう。
1960年代後半の私の小学生時代に比べて、1990年代の娘の時代はずっと家庭学習が必要とされていたように思います。その後ますますその傾向は加速されているようです。