こんにちは。料理研究家の武蔵裕子です。

 日々の料理は繰り返しが多いので、マンネリ気味になってきますよね。そんなとき、キッチン道具や新しいお鍋を買うと、なんとな~くやる気がアップすることがあります。

 でも、幼い子連れだと、お店でゆっくり眺めて選ぶような時間もない。わかります、わかります。しかも子育て中は、調理器具にまで気を使う余裕なんてないと思います。

 そこで、キッチン台所を見直してみてほしいんです。たぶんほとんどのお宅のキッチンにある、魚焼きグリル、これを賢く使ってみませんか?

 魚焼きグリル、なんていう名前があるからか、「魚を焼くとき」にしか使わない家庭が多いかも知れません。いざ魚を焼くと、受け皿に落ちた油はこびりつきやすいし、網の隙間からししゃもは落ちるしで(笑)、子育てに忙しいときって「なるべくなら使いたくない」という発想になりがちですよね。

 でも、魚焼きグリルってすごい底力を持っているんですよ。

ながら料理が可能、火の通りが気になる鶏肉料理も失敗なし

 まず、家庭にある調理器具の中で最も高温になります。庫内の温度は片面焼きグリルでは約330度、両面焼きグリルでは約400度にも。高温調理ができるといわれるオーブンでも庫内の温度上昇は約250度。大きな違いです。

 オーブンは予熱時間が10分ほどと、けっこう長くかかりますが、グリルなら余熱は3分ほどで完了。すぐに料理を始められるのがうれしいし、空いた電子レンジもガスコンロもフル稼働できるから、味噌汁やチャーハンを作りながらメインのお肉料理が同じタイミングでできあがる、それだけで料理のストレスは半減ですよ。

 試しに、市販の食パン1枚を焼いてみて。両面グリルなら2~3分で焼けるし、外はカリカリ、中はもっちり。朝の慌ただしい時間もぐっと時短になります。