だしがなくても味が決まる煮物もある

 東京都のおだしとは、水のこと。かぼちゃやさつまいもは、レモン汁とおしょうゆだけで煮たほうが、甘みがすっきりしておいしく煮上がるものです。

 一方で、鶏肉、豚肉、牛肉で煮物を作るときは、肉のうまみがしっかりと煮汁に出ますから、だしを加えずとも調味料を足していくだけで、うまみを野菜が吸って、おいしく煮上がるんです。

 ちょっと不安だな、と思ったら市販の顆粒だしをひとつまみ入れる、そのぐらいで味のバランスは意外と整います。煮物は素材の味を活かしてこそ。引き算して味付けすることも、大事なコツなんです。

煮上がったらすぐに鍋から出す、がポイント!

 そして最後のコツは、汁気の少ない煮物は、煮上がったらすぐに鍋から出すこと。

 煮浸しのように煮汁ごといただく煮物とは別に、かぼちゃの煮物やさといもの煮っ転がし、筑前煮のように、最後に強火にして煮汁を煮からめるようなタイプの煮物がありますね。

 こういった煮物は、香ばしさやほっくり感が命。煮上がったらすぐに、器やバッドにうつして空気に当てましょう。こうすることで、イモ類はホクホクになるし、煮物全体につやが出て、いっそうおいしそうになります。

煮上がり→鍋に水を入れておくで洗い物もラクチン

 同時に、空いた鍋にはすぐに水を入れておけば、多少焦げ付いていても汚れがすっと落ちて、後の洗いものも楽ちんになります。

 このように、ちょっとした手間を惜しまないことで、煮物はすご~くおいしく仕上がるものですよ。