甘みやうまみ、照りを出すみりんは、「みりん風調味料」ではなくて、「本みりん」を選ぶ。風味を加えたり、肉や魚のくさみを消すお酒も「料理酒」という表示のついていない、飲むことができる「日本酒」を選びましょう。

 しょうゆも、大きいボトルで価格も手頃なものがありますが、最近は少人数世帯向けに小さなボトルのものがいろいろ出ています。有機、生醤油、丸大豆など、こだわって作られたものがやっぱりおいしい。

 大きいからお得、みたいな気持ちで買っても、開封後はだんだん風味がとんでしまいます。劣化した調味料で煮物を作って、おいしくないなぁってがっかりするよりは、いい調味料を使ったほうが格段に煮物の味は変わるのです。

砂糖は色のついた砂糖のほうがこっくりと仕上がる

 小さいボトルのものを買えば場所も取らないし、早めに使い切ることができるから、いつも新鮮なものを使うことができます。砂糖も、三温糖やきび砂糖など、色のついた砂糖のほうが煮物はこっくりといい風味に仕上がる。わが家ではずっと色つきの砂糖を使っています。

 そして二つ目は、素材によって、だしのあるなしを決めること。

 私の師匠だった先生は、「かぼちゃとさつまいもは、東京都のおだしで煮ます」なんておっしゃってました。