DUAL読者の体験談

深夜帰宅の夫。小さなことでも感謝を伝えていたら、協力体制ができた
M・Nさん(東京都在住)

 第1子出産後、病院から自宅に戻ってから約3週間は、夫の母に通ってもらい、洗濯、掃除、食事作りを手伝ってもらいました。その後は、自分たちで頑張ることになったのですが、パパの仕事が繁忙期で、帰宅が夜中の2時を過ぎることも多くありました。

 私は初めての育児で分からないことだらけ。授乳も胸が痛くてうまくいかず、途方に暮れることもありました。「私だけこんなに大変なんて辛い。仕事早く帰ってきて手伝ってよ!」と訴えることもありましたが、繁忙期なのは前々から決まっていたことで、いまさら帰宅時間は変えられません。パパは夜中に帰宅して、3時間ほど寝てまた出社しなければならない中、私のつらそうな姿を見かねて、赤ちゃんを抱っこして寝かしつけてくれたこともありました。

 そんなとき、「30分だけでも抱っこしてくれて本当に助かった」「私が抱っこするより、パパが抱っこする方が寝てくれる。プロだね」とお礼をパパに伝えているうちに、パパも「少しだけでもできることをしよう」「夜中大変なのも赤ちゃんが小さいうちだけだろうから、がんばろう」と思い立ったようで、私が辛いときは、夜中抱っこしてくれる回数が増えていきました。

 その後も、パパは0時過ぎに帰宅することが多かったのですが、私が疲れて食器を洗わず、部屋を片付けずに寝てしまっていたら、食器を洗ったり、部屋を片付けてくれたりするようになりました。出産直後に大変な状況だったことが、その後の夫婦の協力体制に生きてくると実感しています。

 2年後に第2子が生まれ、いよいよ家事・育児が回らなくなってからは、保育園への送迎を時々やってくれるようになりました。最初は時々私と一緒に行く程度だったのですが、「パパが行くと子どもたちが喜ぶ」「○○ちゃんのママが、『パパが毎朝送っていて、すごいね』って言ってよ」などとパパを褒めるうちに変わってきたようです。

 登園中に子どもと触れあったり、ほかの子どもたちと会ったりするのも楽しくなってきたようで、数カ月すると、当たり前のようにパパ一人で毎日送って行ってくれるようになりました。朝早くに子どもを送ってもらえると、その後、一人で身仕度や家事ができるので、非常に助かります。帰宅が遅いパパの場合は、保育園へのお迎えは難しいので、朝の送りをお願いできるとうまい協力体制が取れるのではと思います。

(取材・文/西山美紀、撮影/鈴木愛子)