注意するだけでは、なかなか改善してもらえない

 赤ちゃんとの新しい生活が始まると、パートナーに対して、細かいことでも「これをしてほしい」「これはやめてほしい」ということがたくさん出てくるはずです。今まで気にならなかった「電気の消し忘れ」などという小さなことでも、イライラしてしまったり…。「寝ている子どもがまぶしがって眠りが浅くなってしまうし、電気代がもったいない! ちゃんと消してよ!」と言っても、パートナーは「はいはい、そうだね。次から気をつけるよ」と言うだけ。改善してくれないことも多いもの。そのうち何度も言い続けることで、「いちいちうるさいな! 分かってるよ!」などと腹を立てられることもあるでしょう。頭では分かっている自分の振る舞いを注意されたことへの嫌な気持ちが先立ち、その嫌なことを忘れようとするあまりに「電気を消す」という約束も一緒に忘れてしまうのかもしれません。

 そこでおすすめしたい方法が、もし電気が消えていたら「電気消えているね。助かる、ありがとう!」とお礼を言うことです。相手が「褒められた」というよい感情が残って、それとともに「電気を消すと気分がいい」という気持ちになるもの。その地道な積み重ねによって、いつの間にか自分から電気を消してくれるようになるのです。

怒ることより「褒めること」で行動を変えてもらう

 一方的に「自分の主張が正しい」と相手に認めさせる言動は要注意です。大切なことは「行動を変えてもらうこと」のはず。その場で相手に謝らせても、行動が変わらなければ意味がありません。

 そこで、大切にしたいのは「怒ること」よりも「褒めること」です。これを基本的な考え方にしたいもの。やってくれないことを責めるのではなく、やってほしいことをしてくれたときに、相手がびっくりするほど褒めるのです。いい気持ちになると、自然と行動は変わります。できている面にまずは目を向けて褒めて、「100点満点になるために、ここだけが惜しい。もったいないから挑戦してみてね」という気持ちで背中を押すと、相手にも伝わりやすく、結果として自分も気持ち良く過ごすことができます。