仕事にかまけている自分がひどく空虚に思え、子どもを産むということが素晴らしく生産的な偉業に見えてならなかったのだ。

 人間ってバカだなぁ。いや、私がバカなだけか。

仕事だけしても、育児だけしても、結局、焦燥感は変わらないのだ

 仕事に恵まれ、どんなに「生産的」な日々を送っていても、「何も生み出していない」という空虚な気持ちに支配され、子どもを産み幸せな子育てをしながらも、「生産的なことをしていない」と焦燥感を募らせるなんて。

 ただ、隣の芝生が青く見えていただけじゃないか。

 本当にバカだけど、バカを大甘に甘く捉えてみたら、「欲張り」だと言えなくもない。仕事もしたいし、子どもも欲しい。子育てもしたいし、仕事にも復帰したい。まさに、「日経DUAL」のキャッチコピー、「仕事も、子供も、愛している」だ。

 大甘ついでにものすごく都合のいい解釈をすると、欲張りだからこそ、体力的にも精神的にもキツイ子育てと仕事の両立をしようなどと考えられるとも言える。

 子どもが寝てから仕事の続きをしたり、ほとんど寝ないでお弁当を作ったり。もっともっと、DUALに書かれているようなワーママの壮絶な実体験にあるようなことは、義務や正義感だけじゃできっこない。自分がやりたいからという前提があるからこそ、逃げられない。やるしかないということなんじゃないか。

 あっ、ちょっとかっこつけ過ぎた。やりたいからというのもあるが、うちの場合、仕事をしないと、住宅ローンが払えない、家計が回らないからという現実的な理由もあったのだった。実はこっちのほうが切実だというのは、ここでは声高に言わないでおく。

 ところで、子どもがいない空虚感や、仕事を自由にできない焦りというのは、女性に限った感覚なのだろうか。産むタイムリミットがあったり、出産がどうしてもキャリア断絶になってしまったりという事情がそうさせるのか。

 男性は、そこのところ、どう思っているのでしょうか、だんなさま?