何と言ってもスゴいのは、レストランの充実ぶり。和食、中華、イタリアン、ステーキハウス、それぞれに月齢に応じた離乳食メニューとキッズメニューがあるのだ。息子も喜んで初めての離乳食の「外食」を楽しみ、初めてのプールを体験し、ちょっとだけ日焼けもした。夏休みの宿題があったら、絵日記に書きたいような旅になった。

 沖縄はリゾート地だからだろうか。ホテル内だけでなく、どこのお店もどこの観光スポットも子連れに優しい。「少子化、嘘でしょう?」というくらい、地元の子どももとてもたくさんいるし、元気なので、街全体に子どもの笑顔があふれている。子連れで過ごすのに、こんなに気持ちのよいところはない。日本全体がこういう雰囲気になれば、少子化にも歯止めがかかるのではないだろうか、と思うほどだ。

 沖縄に続いて息子と旅行に行ったのは蓼科の温泉。親戚の家からほど近く、和室で部屋食で赤ちゃんに優しいところ、という条件で検索したら、たった一つだけヒットした「蓼科温泉ホテル 親湯」という旅館だった。

 「赤ちゃん大満足プラン」と銘打たれているだけあり、おむつと粉ミルクは普段使っている銘柄を揃えてくれたり、離乳食は部屋食用と持ち出し用の分もあったり、至れり尽くせり。

 温泉の床はなんと特殊加工された畳敷き。これなら、すってん転んで頭をゴッチンという危険もないので安心だ。わが家では子どものお風呂はパパの仕事。ということで、息子は夫が連れて男湯に行ってもらった。

 なぜか疲れて帰ってきた夫は、開口一番、「赤ちゃん連れてる人なんて、他にだ~れもいなかった」とため息をついた。息子は、薄暗い雰囲気が怖かったのか、温泉で大号泣。何をやっても泣きやまないので、身体を洗う間もなく早々に逃げ帰ってきたそうだ。

旅館は子連れ歓迎でも、男湯はそうでもなかった。トホホ……

 対する女湯のほうは赤ちゃん連れのママがたくさん入っていた。なんだか羨ましくなって、翌日は息子と一緒に温泉に入って、旅の思い出をつくったのだった。

 それにしても、世の中のパパは子どもとお風呂に入っていないのだろうか。それとも、普段は入っているけど温泉ではママに任せっきりなのか? 子どもと一緒に温泉に入っているパパ、かっこいいと思うけど。たとえギャン泣きされても。