「ビストロ キャセロール」では、電話でそんなやり取りをしてくれた上に、行くたびにとても温かく迎えてくださる。スタッフの女性の方が、息子に話しかけてくれたり、成長ぶりに驚いてくださったり、実にありがたい。「歓迎してくれているんだな」という気持ちになる。もちろん、味のほうも、サービスに負けず劣らず最高だ。試しに息子にあげてみたら、カレーは少し、ハンバーグはパクパク、離乳食期にもかかわらず食べて、私たちを驚かせた。これからもずっとお付き合いさせていただきたい大切なお店である。

 他にも、子連れに優しいレストランのリストが、友人たちを通じて集まってきた。ベビーカーショップや子ども用品のお店が多い代官山は、赤ちゃんウェルカムなレストランも多い。六本木の東京ミッドタウンは、幼児食のメニューのあるレストランもあるし、授乳室には調乳用のお湯も用意されていて便利。

 やっぱりなぁと思うのは、赤ちゃん連れOKと聞いて行ったレストランで、かなりの数の赤ちゃんに出会うこと。赤ちゃんに優しいところ、気持ちよく過ごせたところの情報というのは、口コミでママたちの間に伝わっていくもの。結果、子連れグループやファミリーが集まることになる。それだけ、貴重な存在だということだ。

 意外に難しいのは、行き当たりばったりで食べるところを探すこと。看板に出ていたオムライスがおいしそうだから、ここにしようかなと思ったら、地下に向かって長~い階段が続いている。ベビーカーを畳んだり運んだりするのがつらくて、諦めてしまう。狭いお店も、ビジネスマンらしき人たちで占められている雰囲気のところも、入りづらい。

子連れでヘトヘト……、店員さんの「どうぞ!」に救われる

 歩き疲れてヘトヘトになって、もうどこでもいいから入れてくれるところないの~という状況に陥る。そんなとき通りかかってふとメニューを見たお店から、店員さんが出てきて、「どうぞ!」と一言声をかけてもらったら、ホイホイ入ってしまうことになる。子連れでなんとなく入るのを躊躇(ちゅうちょ)するとき、店員さんからの声かけの威力は絶大だ。やっぱり、お店は人だなぁ、としみじみ思う。

 それにしても、私も変わったもんだ。今までは、レストランなどから呼び込みをされるのも苦手だったし、お店の中でも、必要以上に話しかけられたり、プライベートなことを聞かれたりするのもあまり好きではなかった。

 ところが、今やその逆だ。呼び込み大歓迎。店員さんから積極的に子どもに声をかけてもらったり、子どもについてあれこれ聞かれたりするのも大好き。お隣に赤ちゃんがいれば、必ずこちらのほうから「何カ月ですか?」と聞いてしまう。子どもがいることでコミュニケーションのスタイルが180度変わり、私自身とてもびっくりしているところだ。