公立中高一貫校は倍率が高いため、実力があっても不合格になることは多々あります。シリーズ2回目「学校ごとに違う 公立中高一貫校の受検対策」でも解説したように、各校が受検を同日に行うので、公立一貫校同士、さらに東京の場合は国立大学附属中学との併願はできません(国立と受検日が異なる県は併願が可能です)。残念な結果に終わった場合は、地元の公立中学校か、私立を受験して進学することになるので、受検前に不合格になった時の方針を決めておきましょう。

 公立中高一貫校の設立当初、私立と公立の中高一貫校は受験生もすみ分けされ、併願が少ないと言われていました。しかし、最近は年々併願率が高まっているようです。特に難関とされる学校ほど併願率が高く、塾関係者によると小石川で30~40%、白鴎で10~15%程度と予想されています。

 合格しても手続きをとらない入学辞退者も年々増加し、2013年は小石川が31人、桜修館が17人、武蔵(都立)が16人となっています。辞退者が多いということは、私立難関校との併願が多いことを意味しています。

 2011年に一期生が卒業した白鴎は、東大に5人もの合格者を輩出し、「白鴎ショック」と呼ばれました。今年も卒業生が出た学校では、まずまずの実績を上げています。私立との併願が増えた背景には、もともと私立・国立中学受験を考えていた層が、公立中高一貫校の教育、実績を評価し、視野に入れ始めたと考えられています。 

 小石川との併願は栄東、本郷、私立武蔵、芝、渋谷学園渋谷などの私立難関校との併願が多いです。御三家クラス(男子御三家は開成、麻布、私立武蔵、女子御三家は桜蔭、女子学院、雙葉)の難関私立校に合格しても、小石川に入学する生徒もいます。

 私立難関校の入試は比較的記述式の問題が多く、適性検査とも傾向が似ており、併願しやすいといえます(もちろん例外もあります)。公立中高一貫校は、準備にそれほど時間がとられないので、私立難関校を意識して受験準備をしてきた生徒が、途中から併願しても充分に間に合うのです。

 逆に公立中高一貫校一本に絞ってきた生徒が、途中から私立を併願するのは大変です。シリーズ2回目で登場した白鴎附属中学のA子さんの母親は次のように話しています。

 「5年生の終わり頃に公立中高一貫校の受検を決め、週に1回専門の塾に通いました。それから記述の練習はしていましたが、本気モードに入ったのは6年の秋頃。だんだん気持が中高一貫校に入り込み、地元の公立中学に進学する選択肢はなくなっていました。6年の秋では私立の準備は間に合いませんから、落ちたらどうしようと精神的に追い詰められましたね。結果的に合格できましたが、もうちょっと早くから私立の準備もしておけばとよかったと思います」

公立中高一貫校と併願しやすいように適性検査型を導入する私立も

 そこで、公立中高一貫校を受検する生徒の併願を狙って登場したのが、私立中学の適性検査型の入試です。ここ数年、東京の公立中高一貫校の入試日は2月3日ですが、その前後に設定されています。

 宝仙学園共学部理数インター佼成学園女子帝京八王子東京純心女子日本学園共立女子第二淑徳SCなどが適性検査型入試を導入しています。

次ページから読める内容

  • 入学してから伸びる「公立中高一貫型」の受験生
  • 公立中高一貫校の合格実績は都立トップ高に匹敵
  • 生徒間の学力差など今後の課題も

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