公立中高一貫校ならどこでも同じというわけではありません。各学校それぞれ教育方針が違い、独自のカリキュラムを展開しています。それほど学校の数が多くない公立中高一貫校の場合、つい近くの学校にばかり目が向きがちですが、それぞれの学校の違いを知って、わが子にあった学校を探すことが大切です。今回は東京都の注目校、小石川中等教育学校大泉高校附属中学校を訪ねてみました。

 

偏差値トップの小石川中等教育学校

 東京都では2005年に先陣を切って白鴎高校附属中学が開設しました。翌年には小石川中等教育学校桜修館中等教育学校両国高校附属中学千代田区立九段中等教育学校の4校が開設。2008年に立川国際中等教育学校武蔵高校附属中学の2校、そして2010年に大泉高校附属中学富士高校附属中学三鷹高校附属中学南多摩中等教育学校の4校が開設し、現在全部で11校設置されています。

 大手中学受験塾・四谷大塚の合不合判定模試の合格可能性80%偏差値(2013年12月模試)男子では、東京都の公立中高一貫校トップは小石川で64。女子は小石川と武蔵が64で並んでいます。公立中高一貫校は母体となった高校によって評価される傾向が強く、東京府立第五中学校以来の名門・小石川高校を母体とする小石川は設立当初から注目を集めました。もちろん今でも、説明会に1200人あまりの親子が訪れる人気校です。

 「小石川教養主義」を謳っていますが、特に理数教育に定評があり※スーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されています。

「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」文部科学省が科学技術系人材の育成のため、独自の取り組みで理数教育に重点を置いた高校を指定する制度。指定された高校をSSH指定校と呼ぶ。

合格実績には既卒生(浪人)も含む
合格実績には既卒生(浪人)も含む

科学コンテストで実績

 数学は中2までに中学3年間のカリキュラムを終了。3年からは高校の内容を履修します。理科は物理、化学、地学、生物を専門の先生が担当し、1年次は約7割が実験か観察で、毎回レポートを作成。理科室はそれぞれの専門の教室と科学室合わせて5教室が設置されています。科学コンテストではポーランド科学アカデミーが主催する高校生国際物理学論文コンテストで9年連続受賞・入選、昨年は生物オリンピックで銀賞を受賞するなど、輝かしい成績をあげています。

小石川中等教育学校での実験の様子。SSHに指定されているだけあって最先端の実験器具が揃っている
小石川中等教育学校での実験の様子。SSHに指定されているだけあって最先端の実験器具が揃っている

 小石川は理数のイメージが強い学校ですが、英語の教育も充実しています。2年次に行う2泊3日の国内語学研修を経て、3年次には2週間オーストラリアで語学研修、5年次にはシンガポールやマレーシアなどに修学旅行で訪れます。