どっちが好きかな? と選択権を与えるとあら不思議! 真剣に選びます

 買い物中「買って、買って」と泣き叫ぶ子に「ダメ」と言っても納得させることができないのは、脳の発達段階としてまだ無理なのであって、聞き分けのない子だからではありません。

 私はこれを、田中昌人さんの『子どもの発達と診断1 乳児期前半』(1981年発行、大月書店刊)を読んで知りました。だから、子どもが「お菓子を買って」と泣き叫んだ時は、買ってもいいものの売り場に抱えてでも連れて行って、たとえばヨーグルトやプリンを示しながら「どっちがいい?」と聞くとあら不思議、さっきまでのお菓子へのとらわれが消えて、新しい課題である「どちらを選ぶか」に気持ちが切り替わってしまうのです。

 2歳といえば、早い子では朝起きて着る服で駄々をこねることも始まりますが、そういう場合は2種類用意して選ぶ権利を与えると良いようです。

 洋服といえば、わが子に似合うものや親の好みなどから、わが子が一番可愛く見えるものを着て欲しいものです。ところが、お気に入りの同じ服ばかり着たがる、コーディネートは散々、キャラクターものにハマるなど、バトルの種にもなります。でも、本人のこだわりも一時のこと、目をつぶって許しているうちに「どっちが似合う?」「どう思う?」などと意見を聞いてくるくらい、すぐに成長します。

 もっとも、選択の余地のない事柄で駄々をこねる場合もありますね。