こんなときに気になるのは、職場の同僚の視線ではないでしょうか。打ち合わせなどの予定をキャンセルしたり、残っている業務を任せたりと、どうしても周囲に負担を掛けることになってしまいます。「迷惑を掛けてしまっているのではないか」という不安は拭い切れないものがあります。

 こうした状況でも、周囲の人が快く受け入れ、協力してくれるようになるのが理想ですよね。

 私の場合は、周囲の理解に恵まれていることもありますが、困ったときに助けていただけるようなアクションを自ら戦略的に起こしてきました。第1に、日ごろから仕事で揺らがない信頼を構築しておくこと。これは大前提です。

職場のメンバーに「うちの子情報」を発信

 その他の工夫としては、自分の子どものことを、周囲によく話すことを徹底しています。

 部署の飲み会や会社の行事などに子どもを連れていったことも何度かあります。チームのメンバーを自宅に招いて手料理を振る舞い、そのときに子どもを会わせたこともありました。

 そのため、職場のメンバーはうちの子の顔を知っていて、情が移ったようです。「子どもが熱を出した!」となれば、「大変! 早く帰ってあげて」と、心から気遣ってくれやすいのです。

 職場の飲み会に子どもを連れていくのはハードルが高いと思いますが、デスクに子どもの写真を置いておいたり、パソコンのデスクトップ画面を子どもの画像にしておいたりすることはできるのではないでしょうか。

 心理学上でも、「人は何度も繰り返し会った人に親近感を覚える」という実験結果があります。子どもの顔をメンバーの目に触れるようにする、子どもの話を普段からする……。これは、職場によっては雰囲気的に難しいこともあるかもしれませんが、許容範囲内でどんどん「うちの子情報」を発信しておくといいと思います。「よく知っている子」かどうかで、何かあったときのメンバーの心象も変わってくるはずです。

(ライター/青木典子、撮影/鈴木愛子)

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