「女性に身の回りの世話をして貰うために結婚する」と言ってはばからない時代がありました。今の30代半ば以上の中学・高校時代には、女子は家庭科、男子は技術科と、別々の科目を受けていました。そうした時代を反映し、いまだに古い考えを変えられない上司層を、ワークライフバランスなどを研究している渥美由喜氏(東レ経営研究所)は「粘土層」と名付けています。なかなかユーモアのある言葉です。
1993年ころからの家庭科男女共修時代を過ごした世代が30代になり、身辺自立した男性が増えたことは喜ばしいことです。こうした男性陣と共に、折に触れて「粘土層」に次のような考えを語り、教育していきましょう。
これからの時代の生産性の上げ方
今の時代、生産性を上げるために経済的なインセンティブで報いることは難しくなっています。
生活を大切にしたい、育児にも積極的に関わりたいという若い従業員が増えている現在、マネジメント力で忠誠心や仕事の満足度を高め、業務の見直しによって職場全体の生産性を上げることが求められているのです。
ある大手証券会社では、経営者が先頭に立ち、残業は19時までと決めました。
当初は従業員の側で「とうてい無理」と抵抗がありましたが、いざ実施してみると可能でした。仕事の効率が上がり、何も19時まで残業する必要もないとわかり、さらに退社時間が早まって、定時退社に近づいているのです。
このことは、まずトップや管理職の決断こそが現場を変えることを物語っています。