以前この連載で書いた「習い事はわが子に与える『人生のサーチライト』」もたくさんの方にお読みいただきました。今回は、共働き世帯と習い事、中でも特に塾通いという切り口でお話ししたいと思います。

 わが家の長男(現在、小3)は小1から塾へ通い始めました。それも、当時から行き帰りは1人でバスに乗って……。周りのママ&パパからは「1人で大丈夫?」と心配されましたが、当の本人は「大丈夫だから絶対ママはついてこないで」と涼しい顔。毎回、楽しげに通っていました。

息子が「塾がつまらなくなった。もう行きたくない」と言うようになって……

 でも、担当の先生が変わった途端、「つまらなくなった。もう行きたくない」と言い始めたので、週に2度の個別指導塾に変更して対応することにしました。

 こんなふうに子どもが習い事を嫌がり始めたときは、親は冷静に対応することが必要です。部下マネジメントに似ていますよね。上司が頭ごなしに何か言っても、反発を買うだけです。

 「何言っているの」と説き伏せて、無理やり行かせてしまっては子どもがかわいそう。こんなときに一番大事なのは、子どもから事情をよく聞くことだと思っています。例えば「課題が難し過ぎる」「先生との相性が悪い」「他の生徒との人間関係に悩んでいる」といった本音が隠れている可能性もあります。

 幼い子どもにそれを最初から分かりやすく説明させるなんてどだい無理な話です。丁寧に寄り添いながら話をしていけば、なぜ嫌がっているかが分かります。そうしてから、その課題を解決するための行動を取ればいいのです。一番信頼できる大人として、子どもの悩みに向き合い、具体的に解決策を講じるのも親の役目です。

 さて、わが息子はその後、学校での親友に誘われて、家から少し離れた別の塾に週に2回、通うことになりました。幸運にも、その親友のママが車で送迎を買って出てくれました。