例えば、商談が一段落し、今後のスケジュールを相談するために手帳を開いたときは最大のチャンス。相手の休業日を確認しつつ、「●●さんは、お休みの日は何をされているんですか?」――これなら自然な流れで尋ねることができます。

 夏休みやゴールデンウィークなどの長期休暇の前後なら、「どう過ごされる(た)のですか?」「どこか旅行には行かれます(した)か?」などと振ってみてもいいでしょう。

相手の話題から「家族や子ども」の話を引き出す

 相手の回答の中には「家族や子どもの存在」が含まれていることも多いものです。「子どもに付き合って、ポケモンの映画を観に行きましたよ」なんてエピソードが出てきたりします。すると、「お子さんはおいくつなんですか?」から「うちの子は今~」という話を切り出すことができます。

 お互いの子どもが同じくらいの年齢なら自然に話がつながり、育児談議で盛り上がることも。また、相手のお子さんが自分の子より年上であれば「これからどんなことが起こりますか? どんな備えをすればいいですか?」と教えを請えばいいわけです。相手のお子さんが自分の子より年下であれば、「こんなことでお悩みではないですか? うちの子も当時は~」などという話題を振り、アドバイスをしてあげたりすると喜ばれます。

 相手も、子どもの話になると「パパ」「ママ」の表情になり、ビジネスシーンでは見せないような「素」が表れます。それは、相手との距離を縮め、関係を深めるチャンス。まず自分が壁を取り払い、プライベートの話をオープンにすることで、相手の方も「この人にはここまで話してもいいんだな」と、心を開いていただきやすくなります。

 なお、相手がシングルまたは子どもをお持ちでない場合は、「趣味」の話題を振るといいでしょう。例えば、相手の趣味がスポーツであれば、その話題に乗っかりつつ、「うちの子はフットボールチームに所属しているんですが、そのコーチの人は……」などと自分の子どもの話題につなげていく手もあります。こうした雑談から、「彼女はワーママとして頑張っているんだな」と思っていただけると、育児が多少仕事に差し障ったとしても、理解・協力を得やすいと思います。

ワーママならではの情報・視点を生かし、ビジネスの提案を

 相手のビジネスが「子ども」や「ママ」のマーケットを対象としていれば、育児中であることはむしろ強みになります。自分の子どもを例に挙げて、あるいは「ママ」ならではの視点を生かして、相手のビジネスにどんどん提案していけばいいのです。