思い通りにはならないのが人生の常とは言いますが、私は諦めずに結構がんばって、できる限り思い通りに生きたいと思い、半世紀余りを生きてきました。
あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、試行錯誤を繰り返し、痛く悔しい思いもいっぱいしてきましたが、その中で自分自身のいくばくかの成長を感じることができ、まわりの人々、つまり家族や職場も変化しました。
しかし、自分もまわりも「変わらない」と諦めている人が多いことをとても残念に思います。納得のいかないことについては、自ら変わる勇気と変える気力を持って欲しいというのが私の願いです。
年長者の存在と考え方は変えられない
一方で、とても変わって欲しいにもかかわらず、変えることのできないものがあるのも事実です。私たちの悩みのタネに、年長者の存在というものがあります。古代エジプトでは老人の経験と知恵を図書館にたとえて尊敬を表しましたが、そうした方々ばかりではないのも事実です。過去の経験という大義名分のもとに、時代遅れの考えやセンスを押し付けられたり、従わされたりすることは苦痛です。
変化する現代社会や競争に勝つ必要のある企業や職場にあっては、古い考え方や方法が進歩の阻害要因となっている場合は変える必要があります。考えを変える必要性が希薄な親や祖父母の存在はどのように自分の中で消化したら良いのでしょうか。それには、諦めるという尊重の仕方があります。
ここで、忘れてはならないのが実の親との関係です。個々の親子関係は個別具体的なもので、善し悪し、濃淡は親の老化や子の成長という時間と共に変化しますが、切っても切れない、つまり「変えることのできないもの」のひとつが親子の縁です。
親を尊敬している場合は何の問題もありませんが、親に不満を持っている人もたくさんいます。でも、親を「変えよう」とは思わないのではないでしょうか。それは正しいと思います。なぜなら、親の人生は変えようのない時代背景や人間関係を含めた過去の蓄積の上にあるからです。
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- 夫の実家は異文化の世界
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