「なんでやろ?」とよく観察してみたら、“手づかみ”のしぐさをしていたんです。これはもしかしたら自分で食べたいのかもしれないと思って、手づかみで食べられるメニューに変えたり、スプーンを渡したりしたら、いきなり食べるようになったんです。

 子どもってどこかでサインを出しているんですね。そのごくわずかな成長のしるしは、毎日子どもを見ている親にしかわからないこと。うまくいかないとき、「これって、もしかして?」という親の直感に素直に従うと、突破口が見えるんじゃないかなと思います。

 ただ、子どもは気まぐれというか、昨日まで食べたものが今日はなぜか食べなかったり、気分の問題もあったりする。そこに明らかな理由というのはなくて、考えても仕方ないことも多いんです。

 何でも完璧にやろうとしたり、こだわりすぎたりするとよくない。かえって楽しくなくなってしまう。

子どもと食べるときは、最高のパスタが「ソフト麺」になったって構わない

長男の舜と一緒に料理。わが家の大事な時間
長男の舜と一緒に料理。わが家の大事な時間

 僕はパスタが大好きで、高校生の頃からよく作ってきました。こだわりも強く、ゆで加減、味付け……最高の状態でみんなに食べてもらいたいと思っていたんです。先日もパスタを作ろうとしたら、子どもが2人、横から別々の要求をしてくる。集中できない。「あ~、せっかくええ感じやったのに!」とイライラしました。

 そこでヨメに「子どもが2人いて、ベストな状態でごはん食べられるわけないやん!」と一喝され、「ああ、そうやな」と我に返りました。

 もう、オレはパスタのゆで加減にこだわるまい。

 「はい、ソフト麺できましたー!」って言うぐらいの心の余裕を持とうと思ったわけです。

 子育てにおいては、時に自分のこだわりを手放すことも大切ですね。そうすれば、家族も自分も、もっとのびのびと暮らしていけそうな気がします。

(ライター/伯耆原良子 写真/鈴木愛子)

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