その際に、待合室などで周囲に感染させてしまうので、当院では入口も分けて、隔離室で待機、診察を行います。直接の接触がなくても感染する可能性があるので、事前に水ぼうそうである可能性があって受診することを電話で伝えて、待機場所も指示してもらうことが望ましいと思います。

1歳になったら、ほかの予防接種と同時接種が可能

<ワクチンはいつ受けるの?>

 1歳になったらワクチンを受けられます。1回接種での予防効果は70-80%と言われています。ワクチン接種者の1/4から1/3の人が罹患しますが、その場合も症状が軽く済みます。(発疹の数が少ない、かさぶたにならずに治るなど)2回接種によって予防効果はさらに高まります。私のクリニックでは、多くの1歳児が誕生日から1か月以内にMRワクチンと一緒に水痘ワクチンとおたふくかぜワクチンを接種しています。

<緊急接種って何?>

 水ぼうそう患者と接触して72時間以内に水ぼうそうワクチンを接種すれば予防可能とされています。実際には、72時間以上前の接触によって発症することもありますので、この緊急接種で確実に予防ができるとは限りません。空気感染する水痘は、患者との直接の接触がなくても感染することがあるからです。子どもが1歳になったら早めに接種することをお勧めします。

 先天性の免疫不全症の患者や白血病や悪性腫瘍の患者、臓器移植後に免疫抑制剤を投与している患者などは、子どもに限らず大人でも、リスクが高く免疫力が低下しているため、ワクチンを打ちたくても打てないことがあります。その子達にとっては命とりになる水ぼうそう・・・巷に流行させないことが本当に重要なのだと認識を改めました。

(監修/あかちゃんとこどものクリニック院長・田中 秀朋)