時短勤務、あるいはフルタイム勤務でもなるべく定時に上がって保育園へのお迎えに直行――。勤務時間に制限があるワーママ(パパ)は、社内外の人とコミュニケーションを取る時間もおのずと限られてきます。しかし、働くママ自身、重々承知しているのではないでしょうか。大切な情報の多くは、勤務時間外に行き交っていることを……。

しかも、営業やコンサルタント職などであれば、顧客や取引先とのリレーションを深めるために一緒に飲みに行くこともありますが、働く親にとってはそれもままなりません。今回はこの「コミュニケーション欠乏症」を防ぐ方法をお話しします。

 家事・育児のために夜の時間を自由に使えない方には、ランチタイムを活用して人と会う時間、話す時間をつくるのが一番のオススメです。時間がないからといって人とのコミュニケーションの時間を削ると、情報も入らなくなるし、関係を深めることも困難。長い目で見ると、ビジネスを展開していくうえで何かと損です。

ランチタイムこそ、情報収集にもってこいの大切な時間

 そこで、相手をランチに誘い、「オフ」の場で話をする機会を積極的に設けてはいかがでしょうか。ランチタイムも回数が限られているものですので、次のような人たちとのコミュニケーションを大切にするといいでしょう。

1. 【部署内・社内のキーパーソン】

 「会議や打ち合わせの場で、みんなが当たり前のように話していることが分からない」という経験、働くママならば少なからずあるのではないでしょうか。夜の時間帯や飲み会での雑談が発展し、いつの間にか自分以外のメンバー間で共通認識事項となっているのはよくあること。

 そうした情報をキャッチするためには、部署内や社内他部署のキーパーソンを押さえておき、定期的にコミュニケーションを取ることが有効です。

 ここで言うキーパーソンとは、役職者など裁量権を持つ人物ではありません。常に人の輪の中心にいる、議論が始まったときに自然とファシリテーター的な役割を担っている、社内の人間関係や人事情報に詳しい、情報感度が高い……そんな人物のこと。

 そうしたキーパーソンと親しくなり、ランチを一緒に取るなどしてはいかがでしょう。遅い時間までオフィスに残らなくても、あちこちの飲み会に顔を出さなくても、その人とランチタイムを過ごせば、一括して情報を入手できます。最小限の行動で最大限の効果が期待できるというわけです。

2. 【上司】

 上司と社内で話をする際には、業務の話が中心になりますが、ランチタイムという「オフ」の場では、プライベートの話をしておいたほうが得策です。自分の家族の状況を伝えておけば、いざというときにフォローしてもらえるかもしれません。

 併せて、自分の今後のキャリアビジョンも話しておくことで、それを踏まえたミッションを与えてもらえるなど、キャリア構築のサポートも受けやすくなるでしょう。

 自分がマネジャーである場合は、上司にチーム内で気になっているメンバーのことを伝えておくと、自分が不在のときも気にかけて、代わりにフォローしてもらえることも期待できます。もちろん頼るのは最終手段。まずは、上司に頼らずに自力で解決することが大前提ですが。