「……てなことがあったのですが、奥様におかれましては同様の思いを抱かれたことなどおありなのでしょうか」

 「あるわよ」

 ということは、あの衝動は、俺だったから、男だったから、おっちゃんだったから、ではなく、ヨメでも、女でも、若くても突き上げてくることがあるということなのだろうか。一人で誰からも助けてもらえない状況になったとしたら……。

今のわたしは「仕事<子育て」だと断言する

 ウチの父親は、仕事にかまけて子育てを全くしないヒトだった。

 すげえな、と改めて思う。

 よくほったらかしにできたもんだ。
 よく母親一人に任せて平気だったもんだ。
 自分自身、よく母親から虐待されずに済んだもんだ。

 テレビドラマなんかで、子育てに無関心な父親が「俺は仕事で頑張ってるんだ」的な発言をしてるシーンがよくある。あれって、「仕事>子育て」か、せいぜい「仕事=子育て」な価値観が根底にあるが故の言葉だと思う。仕事のほうが大変。仕事のほうが偉い。

 他の仕事は知らん。ただ、わたしは自分の仕事に関しては断言できる。

 「仕事<子育て」

 仕事より子育てのほうが大変。

 なので、お伺いを立ててみました。

 「子育て頑張りますので、仕事、しなくてもいいでしょうか」

 「アホ!」

寝顔に見ほれる日々。「あの日」のことは今思ってもゾッとする
寝顔に見ほれる日々。「あの日」のことは今思ってもゾッとする

妻のアトコメ

 世の中のお父さんが一人で赤ちゃんの面倒を見る時間をどれだけ持っているかは分からない。が、うちのだんなさんは世の平均よりはるかに長い時間、息子の世話をしていると思う。

 どうしても、男性の場合、妻を助けるための「子育てのサポート役」になりがちなのは、今の日本では仕方のないこと。だけど、男性も一人で子どもと対峙する時間が長ければ長いほど、「子育ての主役」になっていくんだなぁと、だんなさんを見ていてしみじみ思う。

 うちは、主役、ダブルキャストでがんばります!