「あくまで『~する恐れもある』ということでしょう。虎蔵(夫の付けた呼び名)はそんな引きの弱い子じゃないから、大丈夫、大丈夫」

夫のマジックワードは「大丈夫」

 出たよ。得意の「大丈夫、大丈夫」が。

 何かっていうと「大丈夫」。

 大した根拠がなくても「大丈夫」。

 ほとんど希望的観測でも「大丈夫」。

 虎ちゃんに食べ物のアレルギーが出ないか心配なので、初めての食材はひとさじでやめようとすると、「大丈夫だよ、アレルギーなんてないよ」とお気楽な一言。

 もともと飼っている犬3匹と虎ちゃんエリアは当面分けようということになっていたのに、私の目を盗んで、3カ月くらいから犬たちと戯れさせたりしていたらしい。しかも、犬がチューしても見過ごすだけでなく、「かわいいから」と写真まで撮っていたことが発覚した。もう~、かんべんしてよ。

夫君から送られてきた「恐怖の写真」。ったくもう!
夫君から送られてきた「恐怖の写真」。ったくもう!

 夫婦間に温度差があるのは、そもそも違う人間なのだから仕方がない。

趣味嗜好のギャップはどうでもいい。育児における価値観の相違はキツイ

 私は慎重派、悲観主義、心配性だが、夫はとにかく楽観的で、究極の「ポジティブシンキング人間」だ。

 私にとっては「昨日と同じ今日」が来ることがとても大切なのだが、夫は「今日と違う明日」じゃなければつまらないと思っている。私はクラシック、夫はヘヴィメタ。私はワイン、夫は日本酒……なんていう趣味嗜好の話はどうでもよかった。

 とにかく、多くの面でかなり隔たりのある夫婦なのだ。子どもの扱い方でぶつかるのは当然といえば当然だ。おそらくは、これからの子育ての過程で何度となくぶつかり合うだろう。先が思いやられる。