共働き男性の本音は「もっと仕事がしたい!」
共働き男性たちが家事や育児に関わるようになったからといって、彼らはキャリアアップをあきらめたわけでも、もっとスローに生きたいと願っているわけでもない。
彼らの多くはあくまでも仕事が好きで、自身のキャリアの成功を目指している。となると、平日はどうしてもハードワークになりがちで、帰宅時間は遅くなる。実際、インタビューをした男性たちは、「平均して午後10時ぐらいに帰宅する」と答える人が多かった。
2歳になる娘を持つ加山さん(仮名・37歳)も、仕事を頑張る男性のひとりだ。外資系の洋酒輸入販売会社でマーケティングを担当し、年に2、3回は海外に出張するなど精力的に業務に励む。
妻も正社員として働いているが、17時ちょうどに退社できる職場なので、保育園のお迎えとその後の家事や育児は、妻の役目だ。加山さんは、子どもの身支度と保育園への送りのみを行なっている。というか、平日の家事と育児はそれが精一杯なのである。
妻は夫の働き方を変えることを諦めた
「毎日午後10時から11時の間に帰宅するんですが、妻も疲れて娘と一緒に寝てしまうので、たいていふたりとも寝ています。ダイニングテーブルにおかずがラップして置いてあるので、それをレンジで温めて、ひとりで食べています」
毎晩、帰宅が遅い加山さんに対して、最初は妻もイライラを隠せないでいたが、「夫の働き方を変えるのはムリ」と判断したのか、今はなにも言ってこない。