女性が働き続けられる環境とは? 両立を阻んでいるのは育児?仕事?家事? 「サービス産業」を中心にシンクタンクでコンサルタントを務める著者。2児のワーママでもある自身のリアルな経験に基づき、ワーママのための「家事代行サービス」について考察します。

 残務に後ろ髪を引かれながら、急ぎ足で保育園に子どもを迎えに行く。重い仕事鞄、園バッグ、そして子どもを引き連れてなんとか帰宅。時が止まっていたかのように、朝出かけたままの状態の我が家が私たちを出迎える(ここで疲労度はさらに高まる)。

 

洗濯物を取り込んだまま数日が経ってしまうこともある
洗濯物を取り込んだまま数日が経ってしまうこともある

 荷物を玄関に置くなり、急いで夕飯の支度を開始する。最初は抵抗があったが、少しでも早くご飯の支度を済ませられればと、帰宅早々子どもにテレビを観させて待たせることも日常に。

 子どもを席に着かせ、「いただきます」をしてから「ママ、着替えてくるから先に食べていてね」と言うのがお決まりだ。働くママは退社後も息つく暇はない。

 夕食が終わっても、洗濯物を取り込んだり、夕飯の片付けをしたり、園バックから洗濯物を取り出して洗濯機を回したりと、家事に追われる。家のあちこちを動き回る私に子どもがくっついて話しかけたり、遊ぼうと誘ってくるが、いつも返事はあいまいだ。

家事がなければ子どもとの時間はもっと増えるのに……

 ひと通り家事が終わると、子どもの顔を見て、「さあ、次はお風呂に入ろう」。

 「やっと遊んでもらえる」と一瞬笑顔になった子どもの顔に「不満」の文字が浮かぶことを、私は知っている。

 それでも、帰宅後の私の頭の中が、「如何にして限られた時間で全ての工程を済ませることができるか」でいっぱいなのは、私が余裕のない人間だからなのだろうか。貴重な親子の時間の使い方は本当にこれでよいのかと、と日々悩ましい。

 程度に差はあるだろうが、家にいる時間が限られているため、子どもとの時間よりも家事を優先せざるを得ない状況に、違和感ややるせなさを感じている働くママは少なくないのではないだろうか。

 私も、その一人である。2012年に二人目を出産して、2013年春に職場復帰した。子どもが二人になり、育児はもとより、家事量も確実に増えた気がする。