DUAL読者の体験談

言っても何もやらなかった夫が
私の「つわり」でイクメンに

N・Sさん

 妊娠前はパパは食後の片付けすらしないくらい、家事全般は私任せでした。「私だって働いているのに!」と文句を言っても、言えば言うほどスルーされてしまって。体に良い食事を作ろうと頑張っていたので、「せめて片づけだけでもやってくれればいいのに」と言っても、「片づけの文句を言うなら、そもそも食事作りなんかしなきゃいい。外食やお惣菜を買ってくればいいよ」と言われる始末。ただお皿を食洗機に入れるだけなのに。家事を大変にしないようにという、パパなりの気遣いかもしれませんが、「そういうことじゃない!」と怒りが湧き、話し合いは平行線に終わっていました。

 妊娠するとつわりがひどく、仕事から帰ってソファで寝込む日々が続きました。怒る元気もなく、静かに寝ていたら、夫がそっと家事を手伝ってくれるようになったんです。包丁を使うのは苦手なようだったので、私が材料を切っておくと簡単な炒め物を作ってくれるように。お風呂掃除まで進んでやってくれるようになりました。つわりで苦しむ様子や、お腹が大きくなっていくのを見て、家事を協力しなければと思ったようです。

 洗濯物の干し方などは、始めは「こうやってちょうだい」と細かく指示したこともありましたが、パパから「はいはい」と軽く流されてしまったので言うのを止めました。自分の身を振り返っても、パパから家事のやり方を指摘されても私自身、聞き流していたので、「お互い様かな」と。家事を全くしなかったころを考えればまだまだましだ、と自分を納得させました。

 相手に過度な期待はせず、「押してもだめなら引いてみな」というスタンスで。それが家事や育児を分担するコツかもしれません。うちの夫は、こちらが一方的に攻撃すればするほどやらなくなる人だったみたいで、つわりをきっかけに、こちらの態度が変わったことが効果的だったと思います。おかげさまで子どもも無事に生まれ、夫は今やすっかり子煩悩のパパに。最近では「子どものためだから、お願いね」と一言付け加えると、さらに喜んで育児・家事をこなしてくれるようになっています。