魅力いっぱいの公立中高一貫校ですが、各都道府県にある学校は同一日に試験を行うので、1校しか受けることができません。ですから2013年度の東京都の実質受検倍率は7.3倍と、かなり厳しい数字になってしまうのです。国立大学の附属も公立中高一貫校と同じに日に行うので、併願できません。東京都の場合は2月3日が適性検査の試験日ですが、首都圏では慶應義塾中等部などの人気校も同日に試験を実施するため併願できません。受検できる学校が限られるので、それだけにわが子にあった学校選びが大切になってくるのです。
公立中高一貫校に入学するためには、「適性検査」を受けて合格しなければなりません。しかし、これがなかなかやっかいなシロモノ。今回は適性検査の攻略法について、考えてみましょう。
適性検査とは、公立中高一貫校に入るための選考試験のようなものです。ただし私立と違って公立では「低年齢層の受験競争激化につながる」ため、学校教育方施行規則により、学力検査を行わないこととしています。
受験ではなく「受検」
そこで各校では、学力検査に変わるものとして教科に特化せずに、一般常識や総合的な思考力、表現力を問う適性検査を実施しています。公立中高一貫校が「受験」ではなく、「受検」と表記されるのはそのためです。
私立の中学入試と違って、長い期間の塾通いは必要ありませんが、その分対策が立てにくいのです。適性検査はⅠ~Ⅱまで出題する学校が多いですが、Ⅲまで出題する学校もあります。出題傾向としては国語系の「作文記述」、社会系の「資料・グラフ問題」、算数・理科系の「理数問題」の3ジャンルに分かれます。
適性検査は教科横断の出題
それでは実際に、小石川中等教育学校を例に見てみましょう。同校は適性検査がⅢまであります。
Ⅰは国語系で、文章題が出されます。2つの異なった例文が掲載され、まずはそれぞれ個別の問題です。回答は短い記述式で、○×や選択はありません。最後の大問は、ふたつの例文を元に受検者の意見が求められ、それを400字程度にまとめなければなりません。けっこうなボリュームです。