撮影する写真の枚数は昔の10倍

 1634枚。

 これは富士フイルムが調べた、中学生以下の子どもがいる家庭にたまっている未整理写真の平均枚数。その一方で、85.9%の人が、大切な写真を「いつかは整理したい」と考えているという。

「整理したい」と考えているのに、なぜ整理できていない写真が1600枚を超えるのか。

「それは撮影する枚数が増えているから」と解説するのは富士フイルムの森山由美さん。富士フイルムによると現在、一世帯が撮影する写真の枚数は年間500~1000枚。これはフィルム全盛期の約10倍だという。

デジカメはフィルム代や現像代がかからないので、ついシャッターを押す回数が増えてしまう
デジカメはフィルム代や現像代がかからないので、ついシャッターを押す回数が増えてしまう

 これだけの枚数を整理するのは簡単な作業ではない。仕事や子育てに追われている人たちにとってはなおさらだ。「時間ができたら、整理しよう」と思っているうちに、いつの間にか大量の未整理写真がスマートフォン(以下、スマホ)やデジカメの中にたまってしまう。写真の枚数はどんどん増えていくから、さらに整理するのが難しくなる。

 これらの写真をどう整理すればいいのか?

 そもそも何のために写真を整理するのか?

家族写真に整理は必要ない?

 デジタルカメラのレビュー記事も手掛けるカメラマンの吉村永さんは、これまで撮影したすべての画像データを撮影日ごとにまとめて保管している。整理する理由は「以前に撮影したデータが必要になったり、確認したりする場合にすぐに見つかるようにするため」だ。

 だが、家族写真の場合、過去の写真を見つけ、再利用する機会は少ない。