住宅購入のメイン世代である30代は、共働き世帯も多い。今の共働き世代が住宅に求めるものは、これまで主流だった専業主婦世帯の視点とは大きく変わろうとしているようだ。要因は、生活習慣が違うこと。そこでアンケート調査や最新事例などから、共働き向け住宅選びの鉄則を探ってみた。住宅選びのときに考えたいポイントは大きく3つある。

鉄則1.子育て重視派に注目すべき「コミュニティー」

 30代の共働きファミリーにとって、最大のテーマの一つは子育てだろう。日経DUALが2013年11月に調査会社のマクロミルと共同で実施した調査の結果を見ると、「今、住んでいる住居を選んだ理由」として「子育て・教育環境がいいから」を挙げた人が31.3%で最も多く、「価格で選んだ」の28.0%を上回った。子どものいるファミリーやその予定のあるプレファミリーには共通の関心事といえるが、とりわけ共働き世代には「子どもの面倒をみる時間が短い」という悩みがある。

住居を選んだ理由として「子育て・教育環境がいいから」をあげた人が31.3%で最も多かった。調査は、日経DUALが2013年11月に調査会社のマクロミルと2000人を対象に共同で実施した
住居を選んだ理由として「子育て・教育環境がいいから」をあげた人が31.3%で最も多かった。調査は、日経DUALが2013年11月に調査会社のマクロミルと2000人を対象に共同で実施した

最近ではゲストルームが用意されるマンションも増えている(写真は三井不動産レジデンシャル「パークタワー新川崎」)
最近ではゲストルームが用意されるマンションも増えている(写真は三井不動産レジデンシャル「パークタワー新川崎」)

 その悩みを解決する方法の一つが「親を頼ること」だろう。二世帯住宅はハードルが高いとしても、妻の実家の近くに家を持つ「近居」や、昼間だけ母親に来てもらって子守をしてもらう「プチ同居」といったスタイルも定着しつつある。親が遠隔地に住む場合は泊まりがけで来てもらう必要があるが、アンケート調査では「今、住んでいる住居で不満なところ」として「両親がきたときに泊まってもらう部屋がない」と回答した人が15.8%いる。部屋数への不満の声も少なくない。最近は、ゲストルーム付きのマンションも増えており、こうした住宅を選べば気軽に親を呼ぶこともできそうだ。

子どもの成長にあわせて部屋を仕切る

 子どもと過ごす時間を確保する間取りも進化しつつある。リビングと個室の間仕切りを少なくし、家族の気配を感じながら暮らせる間取りや、食事をした後もダイニングでそのままくつろげる空間などが増えてきた。また最近は子どもの成長にあわせて部屋を仕切れる間どりが一つのトレンドだ。

パークタワー新川崎 レジデンシャルサロン 石川朋氏
パークタワー新川崎 レジデンシャルサロン 石川朋氏

 例えば三井不動産レジデンシャルでは、2013年10月から神奈川県川崎市で発売している「パークタワー新川崎」で、家族のふれあいなどを重視した間どりを提供している。

 大きな特徴は、親が料理中でも子どもが勉強している様子が見えるよう、キッチンと勉強部屋の間を引き戸で仕切れること。全670戸のうち約40戸で対応可能としており、「ファミリー層の多くがこの間取りを選択しています」(三井不動産レジデンシャル 横浜支店 営業室 パークタワー新川崎 レジデンシャルサロン 石川朋氏)とのことだ。

キッチンと隣の部屋を引き戸で仕切れるオプションが人気だ
キッチンと隣の部屋を引き戸で仕切れるオプションが人気だ

例えば勉強部屋は引き戸で仕切るようになっている
例えば勉強部屋は引き戸で仕切るようになっている

世代を超えたコミュニティーの有無もキモに!

 夫婦や親だけでは手が回らないのなら、隣近所の人に子どもの面倒を見てもらう――そんな発想も広がっている。コミュニティーの発達した大規模マンションの中には、居住者同士のサークル活動やクラブ活動が盛んなケースも少なくない。

 最近のマンションでは学童クラブを併設したり、共用施設で学習塾を開くといった取り組みも登場している。「将来的にはマンションに住むシニア層が、同じマンションの別世帯の子どもをベビーシッターするといった仕組みもできるといいですね」と三井不動産レジデンシャル 市場開発部 ブランドマネジメントグループ主査の山本洋介氏。同社は世代を超えて住みたくなる街づくりを進める。世代を超えたコミュニティーの有無は、今後の共働き世代の住み心地を大きく左右しそうだ。

次ページから読める内容

  • 鉄則2.家事効率化に役立つ間取りとサービスも拡大
  • 鉄則3. 留守中も活用できる設備と最新セキュリティを考慮
  • 留守中も発電・蓄電する“働く家”

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