特に予測不可能な動きをする赤ちゃんを自転車に乗せているときは注意。自転車から降りようとして泣いて暴れたり、チャイルドシートの上で突然立ち上がったり、ヘルメットを外して道に投げようとしたりされることもあります。子どもの機嫌や体調によっては大きな事故につながる恐れもあります。いつ何が起きても対応できるように、親は余裕をもって行動することが大切です。

 また、タイヤの空気圧やブレーキなどを自分でこまめにチェックするほか、最低でも一年に一度は自転車店で点検整備をするなど危機管理も必須です。

 「自転車をうまく操作できず、どうやっても自信がない」という人は、自転車の検討をいったん止め、他の手段を探すことも子どもを守るための賢い選択と言えるかもしれません。

「子どもを乗せているお母さん」=「危険」と思われている!

 安全に乗車できるよう、育休中に練習しておきましょう。職場復帰後の実際の生活をイメージすると、仕事帰りでただでさえ疲れているうえに、保育園に迎えに行き、子どもを乗せて、肩には重い仕事かばんに保育園バッグ、さらに大きな買い物袋を下げて家路を急ぐといったシチュエーションもあります。子ども乗せ自転車は大きいため、風にあおられやすいという特徴もあります。自転車のある生活に慣れておくこと。それが働くママ・パパ生活には必須だと言えます。

 北方さんは言います。「2012年に東京都内で実施した無作為のアンケートによると『自転車の交通ルールが悪いのは誰ですか?』という問いに対する回答で、1位の『高校生』に次ぐ2位が『子どもを乗せているお母さん』だったそうです。母数の大きな調査ではありませんが、自分達が世間からそう見られていることを自覚し、安全な走行を心がけましょう」。知っておくべき基本の「き」として、警視庁の「自転車の交通ルール」、一般社団法人自転車協会の「『幼児2人同乗用自転車』に幼児を乗せる際の注意点」「幼児2人同乗用自転車をご利用の皆様へのお願い」の一読もお勧めです。

(取材・文/高梨莉己、撮影/鈴木愛子)