入塾前、4年生のうちに準備を進めるメリット

 前回書いたように、塾通いが4年からでも5年からでも、結局のところ「到達地点」にはあまり違いがないようなのですが、準備なく5年から始めると、軌道に乗るまではほんとうに「わやくちゃ」な生活になります。

 それでもいいといえばいいのですが。

 もうちょっと落ち着いて準備できるほうが、単に成績を追いかけるのではなくて、たとえば「途中式」をきちんと書くこととか、あるいは生活上の、教材の管理を自分ですることとかも身につけることができるのではないだろうかと。

 親も子も何の準備もなく新5年から日能研生活を始めてしまったこじろう(第2子)のときはあまりに「どたばた」でしたから、その反省に立ち、はなひめ(第3子)のときは4年生のうちにある程度の準備をしておこうと考えました。

(写真はイメージ。記事内容とは関係ありません)
(写真はイメージ。記事内容とは関係ありません)

 日能研もサピックスも、塾で使うテキストを市販していません。どちらもいろんな教材を市販してはいますが、副教材的なものか、あるいは塾内では使っていないもので、メイン教材については塾生にしか配布されません。しかし四谷大塚では伝統的に、メイン教材である「予習シリーズ」まで含めて誰でも入手することができます。

 元々、「予習シリーズ」という教材名称の示すとおり、これは子ども自身による自習を想定したものです。私が小学生のころにもあったくらいの老舗教材で、確かに当時はそのような使われ方をしていたと思います。1週間、決められた範囲を自習して、日曜日にその確認テストを受ける、という積み重ねで学習を進めていくのです。

 しかし今時では、そのように学習できる子はほとんどいません。20世紀と21世紀で何が違うのかわかりませんが、とにかく自力で「予習シリーズ」をこなせる子は稀です。そのように稀なお子さんをお持ちであれば、習い事と十分両立させながら中学受験準備を着々と進めることもできますけど…その場合は、こんな連載を読む必要は皆無です(笑)

塾準備のために塾へ行くという選択

 また、親に教えるスキルと時間があるならば、そのような教材を使い、塾に通わずに同等の学習をすることも理屈の上では可能です。まぁ、その「時間」がないわけで話になりませんが…というか、仮に時間があったとしても、子どもがもうちょっと素直にやってくれるんでなければ、果てしない親子バトルになるだけで、我が家では無理だったと思います。