精神面の不調って、目に見えないだけに、なかなか理解してもらえず、言葉に出してうまく伝えられないもどかしさ、ありませんか? 論理的に説明できないため、自分でも受け入れにくく、つらいのです。

先の予定が確定しない。それは、ワーママにとって不慣れな感覚

 おまけに、妊娠がどんな経過をたどるのか、出産はいつになるのかといった予定が明確には立てられないため、先の見通しもつかず、なんとなく中ぶらりんな感じがします。

 目標を立てて、それを計画的に達成していくという思考回路を持っている多くのワーママには、耐え難い感覚かもしれません。イライラが募るのも無理はありません。

 また、人によっては、学生時代の、あるいは仕事上の友人ならいても、周囲にまだママ友がいなかったり、パパの帰りが遅かったり、子育ての相談ができるような先輩が身近にいなかったりする場合もあるでしょう。これから一人で子育てするのかと思うと不安になってきた、という人もいるかもしれませんね。

 出産したあとは、妊娠中に1000倍以上にも増えた胎盤からの女性ホルモンが、胎盤を娩出すると同時にガクッと減少します。その代わり、子宮を収縮させるオキシトシンや授乳を促すプロラクチンなどといった新しいホルモンが体内を駆け巡り、精神面にも大きな変化が起こります。

産前・産後の時期、正直、女性は幸せに浸ってはいられない

 「うっとりするくらいのんびりと幸せな期間」……と夢見ていた産前・産後の時期。

 しかし、実際には、行動が制限されたり、腰や腸が圧迫されて腰痛や便秘になったり。夜中に排尿や足のツリで起きてしまい、寝不足になる人もいるでしょう。この時期に気持ちが不安定になるのは体に起こる大きな激動のためであって、とても自然なことです。ハッピーで、何の問題もない満期の妊婦さんはいませんし、この心身への負荷は、むしろお産を迎えて打たれ強くなるための修行なのかもしれません。