「妻の手助けをしたいという気持ちで始めたけれど、これから保活する人たちのために少しでも力になれたらと。あのころ、僕らは何を知りたかったか、1年前の自分たちに向けて取り組んでいる感じですね」

 杉並区は2013年3月に待機児童対策の「緊急推進プラン」を公表した。さらに「来春には待機児童ゼロを達成する」と表明し、認可保育園などの増設により、14年4月までに定員を800人超増やす計画に200~300人を上乗せすること、定員20人未満の小規模保育所など認可外の整備を進める「スマート保育」の拡充などを打ち出した。

 2014年度の認可保育園申し込み受付が終了し、もうすぐ結果が発表される。2012年度末の時点で全国の「待機児童」数は2万2741人と発表され、解消を目指す整備が急務とされている。果たして、待機児童対策はどれだけ「保活」に苦しむ親子を救うことができるのか……。

(ノンフィクション・ライター/歌代幸子)