「妻はできれば専業主婦をしたいと願っていたので、本当は育児に専念させてあげたかった。でも、自分の稼ぎが少ないので、1人の収入だけではそれも難しい。だから、保育園に預けて働き続けるという選択を彼女に強いているのが申し訳なくて……」

 まして、子どもがもし保育園に入れなかったらどうすればいいのか。最初に考えたのは杉並区を転居して、もう少し保育園事情がいい所へ引っ越すこと。さらには埼玉の実家へ子どもを預けることや親との同居まで思い悩む。2人で話し合っても、結論は出ず、最後はただ入園できることを祈るばかりだった。

発表を前に話し合っても結論は出ない、ただ祈るだけ
発表を前に話し合っても結論は出ない、ただ祈るだけ

結果発表の日、震える手で封書を開けると……

 選考結果が発表されたのは、2013年2月15日。先輩ママから、結果は郵送されてくるが、「封書が厚ければ内定通知で、薄かったらダメなの」と聞いていたので、妻は緊張して待ち構えていた。配達の音を聞いて玄関へ駆け付けると、厚い封書が届いており、震える手で開封したという。

 当日、職場にいた自分も気が気でない。仕事中に携帯がブルブルと鳴り、メールを受信した。妻からだった。