早速、二人で区役所の保育課へ行ってみると、前年度の入園状況が公表されていた。杉並区が募集する「認可保育園」の倍率はどこも10倍以上。なるほど、数字の上でも入園が大変なのだとわかり、保育課の窓口で入園案内をもらい、準備する書類やスケジュールなどを聞くと、初めて「指数」について知らされた。

 認可保育園の入園には自治体ごとに定められた選考基準がある。「家庭で保育できない状況」を点数化し、点数の高い人から優先されるシステムだ。杉並区では、フルタイムの外勤であれば20点満点で夫婦共働きなら40点。一人親世帯やきょうだいが在園中の園を希望する場合はさらに「調整指数」が加算される。

 「うちは40点になりますが、どうですか?」と相談すると、「厳しいですが、まったく無理というわけでもなく……」と曖昧な返事だ。出産は翌年4月で妻の職場復帰はその一年後の4月を予定していたが、一年間の育休を半年ほどで切り上げて「認可外保育所」に預ける選択肢もある。認可を申し込む時点で2カ月以上「認可外保育所」に預けていれば、1点加算されると聞く。

 年明けの2月、妻は産休に入ると、まだ出産していない時期だったが、本格的に「保活」をスタートした。

どうしてこんなに苦労しなきゃいけないのかな・・・

 「認可保育園が厳しいことはわかったので、妊娠中から認可外の保育所も押さえておかなければいけないと。早目に申し込めば、どこかに引っかかるだろうと思っていたんです。でも、電話で問い合わせると、すでに数十人が空き待ちしている状況で‥‥」