ここで言う安全基準に適合した自転車とは、次の2種類のマークが貼付された自転車のこと。自転車選びの基本条件として押さえておきましょう。

□「BAA」マークとは?
 「BAA(自転車協会認証)」は、自転車協会が安心・安全な品質の自主基準として制定した「自転車安全基準」に適合したことを証明するもの。該当する自転車には、BAAマークのシールが貼られています。認証されるには、同協会認定の公的検査機関が実施する「型式検査」を受ける必要があり、自転車の型にあわせて設定された検査項目をクリアしなければなりません。

 例えば、何度も漕いだり、路面から衝撃を受けたときにフレーム(骨組み)が破損したり、変形したり、ゆがんだりしないかどうか。前タイヤを支えるパイプが重量に耐えられず亀裂したり、破損したりしないかどうか。ブレーキについては、道が渇いた状態、水にぬれた状態のそれぞれで瞬時に作動するかどうかかなどを細かく検査されるため、利用者にとって安全性の高い自転車として認識されています。

 また、BAA付きの自転車の部品には、JIS(日本工業規格)、またはJIS同等以上の安全性の高いものを使用されているため、「安全」で「長持ちする」といった特徴もあります。

□3人乗りには「幼児2人同乗基準適合車」
 「幼児2人同乗基準適合車」は、2009年7月1日、道路交通規則の一部改正に伴って誕生しました。これを機に新しく制定された幼児2人同乗用自転車の安全基準により、条件を満たした自動車には「幼児2人同乗基準適合車」のマークが貼られることになりました。

「BAA」マークと「幼児2人同乗基準適合車」マークはセットで貼付されている
「BAA」マークと「幼児2人同乗基準適合車」マークはセットで貼付されている

 警視庁によると、幼児2人同乗用自転車とは「運転者用の座席及び2人分の幼児用座席を設置するのに必要な特別の構造または装置を有する自転車」を指します。このマークが貼られた自転車は、その安全性を証明するために、自転車本体の頑丈さ、駐輪時の安定性、フレームなどの強さ、走行中の振動防止、発進時の安定性など、幼児を2人乗せても安全に走行できる条件をクリアしたものとなります。

 一般的に6歳未満の幼児を2人同乗させるのは禁止されていますが、この幼児2人同乗基準適合車に限っては、前と後ろに子どもを乗せることが可能です。それがひとめでわかる幼児2人同乗基準適合車マークは、BAAマークの真下に貼られています。自転車を選ぶときはこの2つのマークがあるか確認しましょう。幼児2人同乗基準適合車マークしかない自転車は、マークが無断で使用されている恐れもあるので注意が必要です。

(取材・文/高梨莉己、撮影/鈴木愛子)